ゴンゾーゴンゾーまたGONZO

そういえば今期のアニメ感想でこの作品の事を書いてなかったなぁと、ふと思い出してアニメ『ぼくらの』の感想をば少々。かなり高評価できる作品だと思うんだけど、皆さんはあまり視聴していないような感じなので寂しい。

謎に満ちた戦闘兵器を操縦し地球を救うという、よくある土台のシナリオを軸に、序盤から視聴者を引き込ませた、とある独特な世界観。その独特な世界観というのは「パイロットが戦闘後に死ぬ」という設定である。この戦闘兵器はパイロットの生命エネルギーを糧として動いています。人の命を動力源としているため一回の戦闘毎に代価として命が一つまた一つと消えていく。そして戦闘兵器の操縦を許された契約されしパイロットは残り12人。自らの意思で契約を交わした以上は逃れる事が出来ない運命。理不尽ながら「操縦すれば死ぬ」に従わざるを得ない、そんな状況下で出陣前に天の声から操縦者が選ばれるまで、誰が次なるパイロット(=犠牲者)になるか分からないわけです。どのような選定で指名されるのか知らない、ただの天の気まぐれかも知れない。操縦すれば死ぬと解っていても、でもそれに従うしか無い確立された設定。今までに無いパターンのヒーロー像の有り様に、今後の展開は想像しづらく釘付けにしてくれる毎週が楽しみな作品です。
次週の見どころは、その天の声を聴き次なる死を迎えるパイロットに選ばれた加古功(通称:カコ)という名の少年の物語です。ごく平凡な彼が出陣までの確定されし短い命をどう有意義に使うか興味深いところ。この世に一切の未練を残さず死ぬのは実に難しいことでしょう。ごく平凡な私が思うに、思春期真っ只中の童貞の彼ならば「どうせ俺は死ぬんだ」と自暴自棄になり、勇気を持って告白も出来ないヘタレ野郎なのに、こういう限定条件に合いまみえ『間違った勇気』を発揮し、一方的な好意を抱く女の子をレイプするというシナリオも一つに挙がります。確かに本編でもそれらしいニオイをかもし出していたけど、深夜枠の放送とはいえ「それ、なんてエロゲー?」なオチはとても低いだろうな。まだ序盤だから平凡な彼には平凡なオチで構わないし期待もしていない。他の契約されしいつか巡り来る死を控えたパイロットは一癖もありそうなキャラが多くて興味深いです。個人的に矢村大一(通称:ダイチ)という少年には、確立されし「操縦すれば死ぬ」の定義に抵抗する、意味のある自害を期待していたりする。そんな大和魂を持ってそうな器の少年に見えるからです。
よく思い起こせば、迫り来る死を目の前にして何をすべきか考えさせられる作品ってのは、堂本剛主演の『君がいた未来のために』という作品に通じるものがあります。アチラの作品は時間が繰り返されるという設定でしたので異なる点がありますけども。さてコチラの作品は地球を守るという舞台をシナリオへ重点的に組み込むことでしょうが、SFメカアクションのジャンルとしても十分の見応えがあるので今後も楽しみに見ていきたい作品です。で、「ロイさん、SFメカアクションって何ですか?(byソルティ)」ま、GONZO繋がりというオチにて。